100万年も死なないネコがいました。
100万回も死んで、
100万回も生きたのです。
ネコは、1回も泣きませんでした。
私の手元にある
『100万回生きたねこ』の絵本は、
かなり年季が入っています。
佐野洋子さんが好きだった私が
自分自身のために購入したものです。
それから月日を経て子供達にも、
読み聞かせしてきました。
読み手の私が感じたこと、
伝えたいことを、
どの程度受け止めていたのか、
その時々の子どもの年齢や感情の
成長過程で違っていたと思います。
好きな絵本もみんなそれぞれ、
同じ本を読んでも皆んな感じ方もそれぞれ、
それでいいんですね。
1回も泣いたことがないねこが、
はじめて泣くしーん。
動かなくなった白いねこを抱き抱えて、
ねこが大きな口を開けて
大粒の涙を流している。
利己的な考えも、
虚栄心も全てどこかにおいて、
本物のかなしみを知る。
ここには、
ねこの一生分の
たましいの鳴き声が響いてくるようで、
こちらも泣けてくる。
大人のあなたに、
そして目の前にいる子どもたちに。
100万回生きたねこ
作・絵: 佐野 洋子
出版社: 講談社
発行日:1977年10月19日
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